20180813

疲れ果てて家から一歩も出なかった。
溜まっていた仕事を片付け、
昨日のカレーを反芻しながら、
お客様の熱の余韻を感じてた。
そして、やっと『ノルウェイの森』を読み終えた。

名作と言われる小説だが、
ずっと読まずにいた。
母がこの小説暗いよ、と言ってたので、
なんとなく避けていたのだ。

ここ最近村上春樹の作品を立て続けに読んでいて、
独特の世界観が気に入ってる。
なので、齢33歳にして初めてノルウェイの森へ旅に出ることにした。

上下巻あるが、全編を通して死の匂いが立ち込めていた。
わたしたちは生きながらにして、死を育んでいる。
そのような表現が随所に散りばめられ、
鉛色の世界が広がる。

恋愛小説だとご本人が帯を書いているけれど、
生をベースとした性と死の物語だと感じた。
村上春樹の作品ではときどき性がファンタジックに描かれるが、
この作品では死に取り込まれないように性が生を繋ぎ止めるというか、そんな感じがする。

そして最後の3行でこの物語は永遠になった。

この物語が好きだ、
という人がいたら、
わたしはあまり仲良くなれないかもしれない笑。

あまりにも深く、絡め取られそうなパワーのあるこの作品を、
手放しで好きだとは言えない気がする。
少なくともわたしは。